孤高の専門学校校長

感じるままに言いたい放題

旬の魚

魚の旬というのは誠にいい加減なものだと思う。市場に出回る数が多いという意味では旬といえるのかもしれないが、美味い・美味くないでいえば、魚によって旬といわれる季節以外にも美味い時期がある。鯛(真鯛)なんかはそのいい例で、私が思うに春先の桜鯛より真冬の鯛の方が美味しいと思う。五島列島は福江の釣り漁師が獲る一本釣りの鯛はこれ以上のものは無い。「みんな鯛は美味いって言うけど、実はそれほどでもないんだよねェ、、、」って言う自称魚通のイチビリにぜひ五島の鯛を食わせてみたいものだ。きっとダマると思う。

魚屋はもちろん、スーパーの鮮魚コーナーにも季節季節の旬が並ぶ。これからはやっぱりイサキだなー。イサキはなかなかのクセモノで、とにかく骨が鋭いから焼いて食う時には要注意だ。そしてあいつ、顔色が良くない(笑)  ドス黒い黄緑っていうか、少なくとも食欲をそそるような美味しそうな色ではないくせに美味いんだよな。私の中では梅雨時のヒーローだ。

個人的にはこれからそろそろカワハギも美味くなってくる印象がある。あいつの刺身はほんと美味い。真夏と真冬が旬だってネットはいうけど、絶対そんなことはないと思う(笑)  肝が美味いのは冬っていうのはわからなくもないけどね。夏場に磯で素潜りで獲物を獲っていると、背中をツンツン突いてくるやつがいる。なんだ?と見るとカワハギのチビたちが私の体を突いてる(笑)  早く大きくなって刺身や鍋物になってくれよ!と残酷にも食べ物としてヤツらを見ている私は慈悲というものが無い(笑)

しかし巷でいわれるところの旬とズレてる魚の最たるものはカツオだと思う。江戸時代、場所によっては本当にお嫁さんを質(女郎屋という意味の例えらしい)に入れることができたらしい。なんでも初鰹は今の貨幣価値に照らすと、一本20万位の価格がついていたというから、まぁ普通じゃ食えんわな。でも奥さんをそんなとこに入れて得た金で手に入れた、あっさり薄味の初鰹より、秋が本格化してくる頃のカツオの刺身(タタキではない)の方が数段味わい深いと思うんだけどなぁ。