孤高の専門学校校長

感じるままに言いたい放題

被害者意識

何なんだ?

帰省するな?

帰ってくるな?

近所から何を言われるかわからん?

だから肩身が狭い?

今年の盆は我慢?

 

何がだ! 

そんな差別がはびこるこの国は正常なのか? 帰省した人がいる家に人道上許されるはずのない手紙を投げ込んだということがトピックスで取り上げられているが、投げ込んだ人を大して悪く言わず、「嫌な世の中だ、、、」とでも言いたげなニュースキャスターの論調に私は失望する。

ウチの学園の姉妹校でも、在校生の保護者から、ある教員の住まいのことで差別的な指摘があった。「ウチの子の担任は(感染者が多い)大阪に居住しているからコロナが怖い」らしい。大阪府に一歩足を踏み入れたら一挙に人は汚染されるしい(笑)  アホらしくてめまいがする。

かく言う私自身6月に兄を亡くしたので、今年の夏が初盆だったが帰省を諦めた。この世で住んでいた家に冥界から初めて帰ってくる兄を歓迎してあげたいと願っていたものの、それが正しいかどうかではなく、普段そこに住む者や親戚たちが批判されたり理不尽な扱いをされたりすることを避けるためである。

しかしそもそも東京や大阪に感染者が多いのは、人口が多いからという絶対的な理由がある。ここ近々の人口あたりの感染者数を見ると、亡くなった兄の家がある島根県は、10万人あたり約15人で、大阪府の14.5人を上回っているのだ! 東京でも約16人だ。ほとんど変わらないじゃないか(笑)  自分たちはクリーンで、都会から帰省する人が汚染されているなどと、己の立場をわかっていない、とんだ勘違いなのである。ある大阪の人1人と、ある島根の人1人を比べると島根の人の方がコロナに感染している可能性は高いという事実を、きっと島根県の人はわかってはいないだろうし、そんなところに着眼していない。マスコミはそこは言わないからね。

こんな排他的なムラ社会に生きることは不幸だと思うし、何より自分たちを一段上に置いているところが何ともいやらしい。日本人は他人に対する思いやりのある、民度の高い民族だったはずなのに、いつからこんな寂しい考え方をするようになったのだろうか。