孤高の専門学校校長

感じるままに言いたい放題

コロナ 2

 我が美容師の国家試験には実技と筆記があり、それぞれ2年生の卒業直前である2月と3月に行われる。希望を言わせてもらえるなら、それぞれ1年前倒しして、1年次末に受験させてくれれば嬉しいところだ。美容学校のカリキュラムというのは、厚労省管轄でかなり縛られてあり、国家試験科目は科目ごとの時間が取り決められているし、またその履修の考え方についても息が詰まるほど厳格である。各学校の勝手は許してくれない。


 美容師にとって、最も高い意識が求められるものの一つが、衛生的に仕事を進めることである。間違っても病気を媒介するようなことがあってはならない。だから美容学校のカリキュラムにおいても、消毒のことは『衛生管理』という科目の中で、重要なパートとして多くの時間を割いている。どの消毒液をどんな希釈濃度で何分浸けておくとか、皮膚に接する器具・用具それぞれの消毒法であるとか。


 本日テーマにしたいのは国家試験筆記科目の要である感染症、そして話題のコロナウィルスのことだ。まず感染症は大きく5種類プラス1(新型インフルエンザだけで1つのワクをもらってる)に分かれているが、新型コロナウィルス感染症は上から2つ目の第2類相当に分類されている。ポリオ(小児麻痺)やジフテリア結核などと同じレベルだ。ここからは私の考えだが、日本(厚労省?)がこの位置付けに決めたのは、ちと早まったのではないか? 重症化する割合やその症状、死亡率などを鑑みると、インフルエンザや百日咳、麻疹なんかと同じく第5類が適当だという主張をしている医師たちに私は完全に同意する。第2類の感染症である故の措置によって看護師や病床が不足し、医療が逼迫することに繋がっていることは明白ではないか。


 基本的に医師というものは、患者やその家族には大げさに言うものだ。余命は短めに、治療は困難で、珍しい症例に。きっと第5類に格下げすると、変異したウィルスなんかがいくつかのクラスターを起こした際、カテゴリー格下げの推進をした人がたたかれることを恐れているのだろう。余命1年と告げておいて実際には半年で亡くなったりしたら、ヤブだ医療事故だと言われかねない理屈と似ている気がする。


 しかし『コロナ脳』の自称正義の味方の市民は感染者の数だけをあげつらうマスコミにまんまと乗せられ、危ない危ない、自粛自粛となってしまっている。しかし私は専門家委員会の人たちは、私が述べたこと位とっくにわかっていると思っている。初動を誤ると後々修正できない好例だが、学校みたいな所に勤めていると『世間で言われているほど大した病気ではない』みたいなことを発信しようものならマスコミに毒された例の『コロナ脳』の保護者対応に一日中忙殺されかねない。