孤高の専門学校校長

感じるままに言いたい放題

究極のキャッシュレスシステム

 世間はペイペイうるさい(大笑)

 現金を持たずに済むっていうことでクレジットカードが世の中に現れてどれくらい経つのだろう。その後クレジットカードの便利さに慣れた我々の元に、締め支払いのいらないプリペイドカードが普及する。さらにカードという概念をも超えた新しい価値の、◯◯ペイというキャッシュレス時代がやってきた。これを初めて知った時に、こんなのがなんで便利なのだ?と思ったもんだが、人間というものはあることに慣れるともう元には戻れない。今では私も2つの「ペイ」を使っているし、さらに現在もう1つ増やそうとしている。なぜ2つじゃダメなのかといえば、街中のレジにおいて、「ここは◯◯ペイだけしかダメ」、また「◯◯ペイは使えない」みたいなことが多すぎて使い勝手が良くないからである。

 考えてみればなんのことはない、スマホで買い物ができるってことで、実際の支払いはクレジットカードを切ったことになるタイプ、プリペイドカードの残高から引き落とされるタイプ、銀行口座からダイレクトに引かれるタイプ、他にもあるのかな…? 消費税増税をきっかけに「還元」があるってことで、TVCMをはじめとする各メディアで目や耳にすることが一気に増えた(増やそうとしてる)ように感じるこの◯◯ペイだけど、きっとご年配の方にはハードルが高いだろうなぁ。そもそもスマホユーザーでないと無理だろうしね。

 しかし、日本で財布の紐がゆるいのは年寄だ。特に自分の孫には惜しむことなく出す(笑) 統計によると老人1人当たりが孫にかける金は1年で12万円にも及ぶというではないか。しかしこの無限ATMのような方々に対し、いくらマーケットが攻勢をかけようと、機械やネットについていけない高齢者にとっては、◯◯ペイとは仲良くなれないだろう。

 いや、ちょっと待てよ。視点を変えれば、祖父母自体が(孫側から見れば)キャッシュレスで支払いを行えるカードのようなものではないか!と私は気づいた。そう、孫にとってはチャージの必要さえない究極のキャッシュレスシステム「ジジババペイ」なのである。通常◯◯ペイは支払いのために自分の銀行口座やクレジットカードと連携しなければならないが、ジジババペイはそれが必要ない。ユーザーである孫のために祖父母がせっせとチャージする資金源は、多くの場合年金である。祖父母は毎月数万円のなけなしの年金から、喜んで毎月1万円ずつジジババペイにチャージする訳だ。そこから孫親子はいつもキャッシュレスで買い物や飲み食いをする。使う側からすればこれほど優れた「ペイ」があるだろうか(笑)? 祖父母への報酬は「ありがとー!」というガキの言葉だけであったとしても。

 ユーザーである孫親子にとっても、孫のために金を使うのが嬉しい祖父母にとっても、その両方の需要を叶えてしまうジジババペイは、良く考えれば大昔からある最も普及したキャッシュレスシステムに違いない。