孤高の専門学校校長

感じるままに言いたい放題

ライブと日本人

 音楽が好きなので、年甲斐もなく時々ライブに行く。トークショーの類いのものにも顔は出すけど、大部分はミュージャンのコンサートだ。私はそのライブ会場で、いつも自分自身との戦いの中に身を置くことになる。
音楽は好きだ。大好きと言っていい。自分自身子供時代からピアノを習う環境にあったし、中学 高校 またその後も音楽とともに成長した。50歳をとっくに過ぎた今も我が家にはギター(A・E)やバンジョーがあるし、つい最近まで 電子ピアノもあった(頼まれて友人の娘に譲った)。だからライブ会場で素晴らしい音楽を紡ぎ出す表現者の方々と 時間と空間を共有できることは この上ない幸せと言っていい。

 しかし、、、。私は音楽を静かに聴きたい。誘導されて掛け声を叫んだりすることも嫌だし 手拍子もしたくない場合がほとんどだ。ましてや リズムに合わせてパーにした右手を 前方を扇ぐようにするライブ特有の動きを 周りに同調して行うなどは 本心からしたくないのである。辛いんだもん(笑) そもそも私はミュージシャンがステージに現れたからといって立ち上がりたくない。静かに歌っている人たちを見つめて、そのメッセージを耳と目と心で感じたい。少なくとも10年~20年前まではよくいって手拍子までだったじゃないか!

 うがった見方かもしれないが、日本人は「民謡」や「音頭」、時代が下り 形を変えて「ド演歌」(昭和ムード歌謡ではないwww)にしか本当は魂が揺さぶられることはないのではないだろうか? 後ノリと呼ばれる、ズンチャカのチャカでリズムを数えるのは、日本人にとっては後天的なスキルであり「血」がなせる業ではないだろう。きっとそれまでの経験の中で外国人のノリを目にしてカッコいいと感じ、マネをしたいだけだ。なぜなら、例えば外国人なら 生まれつき盲目の方でも音楽を聞けば ノれる。何度かそんな場面も見た。でも日本人の盲目の方は ノらない。いや ノれない。少なくとも前ノリだ。ズンチャカのズンだ。結局日本人の血は西洋音楽を聴いて 好きだ、とか心地よいとかは感じられても、魂は震えてはいないんじゃないかな? 私は日本人だ。きっと生まれつき目が見えなかったら後ノリの手拍子など出来ない。ひがみついでに言えば、同じようにダンスやラップにも大いなる違和感を感じる。モノマネは出来ても結局コアな部分では日本人に理解するのは無理なことだと思う。

 ライブに行けば、手拍子をしない人は 「アイツは何しに来たんだ?」と怪訝な顔をされる。

 掛け声に応じない人は「ノリが悪い」と睨まれる。

 連続する大きなバイバイをしない人は 部外者だと舌打ちされる。

 ミュージシャンによっては曲に合わせたコーラスや 独自の動きなんかを強要される場合もちょいちょいあるけど、あれは何のつもりなのだろう? 「皆がそうしないといけない」という、会場を支配する価値観に 私は力なく処刑されてしまう。結果的に私のせいで ライブを楽しみにしている人の気持ちに水を差すことになるのも本意ではないから、自分1人の楽しみ方をしたいのはヤマヤマだけど 不本意ながらライブ会場では仕方なく周りに合わせる。まぁそもそもほとんどの会場では立たないと演者は見えないけど。
 
 しかしミュージシャンの「大阪ぁぁぁぁぁぁ!!!!」って何だよー!? 大阪だからどうしたんだよ!? 知ってるよ そんなことは! 「大阪ぁぁぁぁぁぁ!!!!」って叫ばれて 観客も観客で、「イェーイ!!!!」って何の確認だよ!?


音楽を聞くときには周囲に音はいらない。また体の運動もいらないんだ!
自分が演者側の一員になるのではなく、完全に受け身でいたい。素晴らしい音楽や楽しいMCを雑念なく楽しみたいから。


「楽しい」と感じる方法は個人に任せてほしいし 周りからの干渉はご遠慮いただきたい。
 ・・・でも無理だよなぁ。
ライブには行きたいんだけどなぁ、、、。