孤高の専門学校校長

感じるままに言いたい放題

病んでしまった職場の同僚に

 『心と体』などという表現であたかもその2つを別々のもののように扱う場合も多いが、精神は肉体の一部でしかないと思っている。『心』といえば確かに目に見えない神秘の世界を想像してしまうのだが、『心』とは何かを考えるに、例えばインスリンが分泌されれば血糖値が下がる例と同じく、『安心した』『怖い』『ヤル気になる』『不安だ』など億万の感情は、頭部という体の一部において(神経伝達)物質が分泌され、その受け渡しをしているに過ぎない。要するに『心』とはモノなのである。そう考えると神秘的なもののように感じている『心』など、薬でいくらでもコントロールできそうだが、そこはなかなか狙い通りにはならない。さらなる医学の進歩に期待するしかない。

 俗にいう『病んだ』と形容される同僚教職員は10年前より確実に増えたように感じる。これまでには接し方がわからず、こちらも振り回されたことも多い。悲しいことに精神的な症状をきたして本来の自分を見失った人の多くは退職してしまう。以下は私のド素人判断の範囲は超えないし、色んなタイプの病気や症状もあるだろうからわかったような顔をするつもりはないんだけど、長年の間に経験し体感したことを、緊急度に応じて並べてみた。しかし全体に言えるのはマズいと思ったら躊躇せず休み、精神科にかかることだ。先延ばししていいことは何もないと思う。

《軽症》早めの対処が何より大事
 頭の中で自分が抱える案件を処理できなくなってる感じ。上手く誘導してあげることができれば、なんということはなかったりする。キャパの小さな人なら、やること(やらないといけないと思っていること)の全容が見えていないだけかもしれない。タスクを紙に書き出すと案外冷静になれたりする。何故ならいっぱいいっぱいになりやすい人は、頭の中だけでセルフパニック状態になっていることが多いからだ。そして何より『1人ではない』ということをちゃんとわからせること。

《中》仕事は休ませた方がいいレベル
 大したことは指示していないから(何を作成してるんだろう?)と思うんだけど、パソコン画面を一日中睨んでいる。理由無く涙が出たりするのもこの辺りからだ。視野が狭くなってるので、自分は理不尽な仕打ちを受けてると思いやすいし、考えを整理できてないから仕事には抜け漏れが多発し、益々自信喪失状態になってしまう。こうなるともう今やってる仕事の進め方や生活サイクルのままでは回復は期待できないと思う。

《重》一刻も早く病院へ
 ボーッとしてどう見てもスイッチが切れている時間が目立ってくる。特に朝、中でも休み明けがダメ。自分自身の存在価値を否定するような発言が出たりして、もはや成果の上がる仕事など全く期待できない。何かに引っかかって急にキレて周りが驚くこともある。こうなったらできるだけ早く現在の業務を中断し、少々の無理をしてでも病院に連れて行かないとダメだ。大変なことになる前に。

 以上は私見に過ぎないものの、これまで痛々しいような場面も何回か経験した上での私の考えだ。