孤高の専門学校校長

感じるままに言いたい放題

「荒井由実のまま夭折すべきだった」か、、、

Twitterは誰かを批判しないと死んでしまう人たちで溢れている。他人を批判することで存在価値を高め、自尊心を慰める訳だ。標題の言葉を発したのが最高学府の教育者であることについて、世間の人は驚きもするが、学校や教育機関に籍を置く者など、世間一般のモノサシを当てると変わり者だらけだ。教室という場所は密室である。密室に指導者が1人だけいるような環境では勘違いが起きる。よほど精神をしっかり保たないと、指導にあたる者は唯我独尊になってしまうのだ。その高慢な独善を助長するファクターとして、教職に就く人は一部を除きその仕事しかしたことがないということが挙げられる。業務成績を他人と比較され給料に反映されることもなく、国が決定した方針でさえも気に入らないなら同僚と結託して不服従を表明するような自分たちを、理想の前では権力に屈しない志士だと思っている。

私事ながら何度か利用したことのある料理旅館の女将が絞り出すような声で私にこぼしたことがある。それによると、宴会がとんでもない荒れ方になるNO.1は医者の集まりだという。ついで警官と教師らしい。こんな話を聞いたら背筋が寒くならないか? 要するにわがまま勝手な人種の鬱憤は見事に溜まりきっているという訳だ。しかも他人の迷惑など眼中にない本人たちは自分をわがままだとは思っていない。ああ怖い。

さて標題のユーミンの話をしよう。昨年の紅白歌合戦aikoさんがユーミンがステージに登場した途端に泣き崩れていた映像は、私の心に刻み込まれた。aikoさんにとってユーミンは神なのか、レジェンドなのか、カリスマなのか。無理もない。ユーミンの実績はちょっとやそっとではない。とにかく70年代初頭から日本のポップス界を桑田佳祐さんとともに牽引してきた巨星である。歴史が違う。大御所の度合いが桁外れだ。そのユーミンに対し「醜態をさらすより早く死んだほうがいい」とまで言い放ったのである。大学の講師である彼は、頭は良いのかもしれないが、人として当たり前に持っておかないといけない何かがすっぽり欠けているようだ。安倍政権を苦々しく思う彼にとっては、総理夫妻とも懇意にしているユーミンが、テレビの辞任会見を見て泣いてしまったと自身のラジオ番組で発言したことが腹立たしかったのであろうか。

複雑な気持ちにならざるを得ないのだが、私もこの発言主である白井某と同じく、今の松任谷由実さんではなく荒井由実さん時代のユーミンのファンだ。小遣いをはたいて当時のLPレコードをアルバイトをして買ったものだ。それまで流行っていた貧乏がテーマの四畳半フォークとは全く対極にある「余裕のある人たちの視点で描かれた世界」は眩しかったし、日本に住む全女性が憧れた。そうなりたい、そうありたいと。

ネットを賑わせているように、66歳になる彼女の歌声は、甚だ失礼ながら往年のようには伸びない。しかしエンターテインメントとは目に見えるもの、耳に聞こえるもの、空気で伝わるもの、その他全身で「感じる」ものだ。今なおライブのチケットは入手しにくいアーティストなのである。要するにそれだけ人々に求められている訳だ。たかだか一講師が偉そうに批判できる対象ではない。