孤高の専門学校校長

感じるままに言いたい放題

人事評価

 人事の評価の基準を作るのは難しい。能力評価、行動評価、成果評価の配分やその評価方法、職位や社歴を勘案して、、、。

 

 私は美容師なので、シンプルな給与体型に慣れている。今まで私が経験した中で最も単純な給与の計算方式は、《売上✖️0.3》というものだった。指名客は単独で3割が自分のもの、そこに店全体のフリーの客の合計売上の3割をスタイリストの人数で割った額を足すという単純この上ないものだ。しかしこの方法は、勤務するスタイリストの力(持っている客数や技術力)が拮抗してる場合にしか平和に運営ができない。案の定退職者が出て、新しい技術者が入社した後には上手くいかなかったことを思い出す。ここで江戸時代に薩摩藩で使われていたという(出典は定かではないらしい)人物評価の序列を紹介したい。

 

一番:何かに挑戦し、成功した者
二番:何かに挑戦し、失敗した者

三番:自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
四番:何もしなかった者
五番:何もせず批判だけしている者

 

 なるほどなぁと思うのは、二番の「何かに挑戦し、失敗した者」だ。チャレンジするのは勇気がいる。失敗するリスクがあるから多くの人はトライしない。手を出さない。もっと低いレベルでは自分の意見さえ言わない。さらにその意見さえ持たない。私は毎年、生徒たちに授業や全体集会などで話をする機会を作るが、その中でもチャレンジするということについては、1年生に対して必ず指導を行う。

 若者はよく「自分が何になりたいのかわからない」という。その思いがグルグル頭の中を巡り、「私は何のために生きているんだろう?」になることが少なくない。多くの若者は他人からどう見えてるかが自分のあり方になっているから、失敗することを過度に恐れ、チャレンジそのものをしない。そしてそんな自分に自信も持てず、訳がわからなくなっているのかもしれない。

 他人の意見は一つの考えとして自分の中に取り入れられる人は貴重だ。さらに当事者意識と勇気を持ってそれを提案できる人、失敗を恐れず新しいことに取り組める人には滅多にお目にかからない。それこそ喉から手が出るほど欲しい人財でもある。

 

 そんなことを悶々と考えながら偉そうに教職員の評価をする年度末がやってきた。個人別になったシートに評点をつける時、私の中でいつも「お前自身はどうなんだ?」と私自身が責めてくる。