孤高の専門学校校長

感じるままに言いたい放題

SF “ 生殖 ”

 人類は繁栄したが、それは医療技術の向上があったからだ。昔なら治らなかった病気も医学の進歩で随分治るようになった。お涙頂戴映画やドラマの主役がかかってしまう不治の病も、現代においては同じ設定では違和感が生じる可能性が出てしまう。主役が白血病にかかってしまうような内容の映画では、私は個人的に中学のガキの頃に観た『エリックの青春』が好きだった。『スターウォーズ』以前のマーク・ハミルの演技が泣けた。治る見込みのない病魔に蝕まれた兄を持つ弟の辛さがわかる気がしたからだ。でも今思い出すと、山口百恵さんの『赤いシリーズ』なんかもそうだが、かなり強引で短絡的な展開の映画だったような記憶がある。そう、まるで韓国ドラマのように(笑)

 閑話休題。冒頭に述べたように医学は劇的に進歩した。例えば生殖に関する分野では、不妊治療や人工授精、また出生前診断など、これまで踏み込めなかった(踏み込んではいけなかった)神の領域にまで人の力は及んでいる。しかし私は以前からさらにスンゴいことを夢想している。医療の進歩を遥かに凌駕するレベルの夢だ。それは・・・。性別は法的に変えられても、今はまだ体の機能面までは変えられない。でもその可能性はゼロなんだろうか? 将来は男(または元男)が妊娠・出産することができるようにはならんもんかなぁ?  ホラ、画期的でしょ(笑)? そんなことになったら法律はもちろん、結婚や仕事の考え方をはじめとして、色んなものが変わるだろうなぁ。

 私は夢想家だから、さらにもう一つ昔から思っていることがあって(笑)、これまた最早キツいSFなんだけど(笑)、それは子宮というものを使わずに胎児を育てるという仕組みだ。ガラスのカプセルの人工子宮がズラッと並ぶ産科病院、その中は人工の羊水に満たされ、人工の胎盤に繋がった胎児が揺れている。『妊娠』や『妊婦』という存在も概念も先進国には無い・・・なんてな時代を夢に見る。そうなれば『産みの苦しみ』というものを経験するのは、途上国の女性だけだ。
 『え?おばあちゃんが若かった時には、赤ちゃんはホントに女の人のお腹の中で大きくなったの?』と子供から訊かれる日は・・・まだまだ来ないか。