孤高の専門学校校長

感じるままに言いたい放題

クラシック大阪

 子供の頃、年配の人が使う大阪弁は今とは違った。なにかもっと味があった気がする。記憶の端っこの方にあるそんな言葉を並べてみた。

《はしかい》
すばしっこいの意味。もうしばらく聞いていない。あっそうか。私はもうサロンワークの美容師ではないし、大阪のバアさんとも話をしていないからよけいにか。

《みぃいる》
筋肉痛。『身が入る』なのかな?知らんけど。若い時はこれもその当日、または遅くても次の日の朝から痛くなるが、年取ってからは翌々日位から『みぃいってる』ことも多く、一人笑うことも多い。

《せんど》
『昨日はアイツらにノせられてせんど銭使わされたわ』みたいな使い方かな。たくさんであることを表す時、この言い方は大阪っぽくて好きだ。

《いちびる》
名詞は『いちびり』五段階活用させると、
《いちびらない・いちびります・いちびる・いちびるとき・いちびれば・いちびれ》だ。
目立ちたがりとかひょうきんものなどという言葉では表しきれない大阪独特の言葉、それが『いちびる』。

《よううつる》
『あんたその赤いコート、よううつるわぁ』似合っていて良く見える時のほめ言葉。美容室で働いている時、おばちゃん同士がこんな言葉をお互い言い合っていた。

《もみない》
美味しくない、不味いという表現。きっと語源は有るだろう。知りたい。気になる。

《しゅんだ》
関東炊き(おでん)の大根を例にとれば、わかりやすいだろうか。若者は『シュミシュミ』などとポップな表現をしたりする。

《いわす》 
『みぃいる』より深刻なヤツ。『壊す』という意味だからカテゴリーとしてはひどい場合は病院に行くヤツだ。

《いらち》
大阪人はつくづくいらちだ。交差点で信号待ちをしていても、『黄色残り』で突っ込む車と『見切りスタート』の歩行者が接触しかけることがままある。歩行者は運転手を睨み、その運転手は舌打ちする。

きっとこれらの美しい大阪弁も時代とともに消えゆくのだろうが、やっぱり寂しいものだ。