孤高の専門学校校長

感じるままに言いたい放題

100日後に死ぬワニ

 緑色の体に青いパンツのワニが話題になっている。あのワニは物語の始まりから100日しか生きられないこと、また本人はその事実を知らないこと。この2つの宿命を背負っていた。なんの変哲もない日常を送る中、刻一刻と死期が迫り、結局100日目に自分の命と引き換えにして小さな命を救ったという最期に、感動と同情が集まっているという。

 ガンにかかって、医師から余命を宣告され運命の冷酷さを感じるというのは世の中には珍しくない話だ。私のごく近くでもつい最近、病魔に抗うことが叶わずに、無二の友達が逝ってしまった。私たち夫婦共々その時のダメージはまだ癒えず、ふとしたことで故人の言葉や表情を思い出し私も涙が出そうになって困ることがある。

 人間は平均して、生まれて80年ちょっと、日数的には30,000日ほどで死ぬ。逃れようのない運命である。今20歳の人ならあと22,000日、40歳なら15,000日。私の歳から計算すると、残りの人生は途中で病気や事故から逃れられたとしても約8,000日。それが私の余命だ。

 妻を見送った後なら、たとえ医師にいつ「あなたの命は残り半年ですよ」と言われても微塵も思い残すことなく、死出の旅路の覚悟を笑顔でできるような人生でありたい。